大作主義の弊害

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040414-00000180-kyodo-bus_all

 「私はいかにしてハリウッドで100本の映画を撮り、しかも1セントを損をしなかったか」。ロジャー・コーマンの名著だが、この本を読むと、映画は商売であることがとてもよく分かる。


 他に売り込みやすいように、内容は製作当時の話題作に会わせる。予算はそこそこで済ます。主演は準主役クラスの中級俳優を据え(これが有名な映画に出ていた人ならなお良い)、スタッフは労働組合に入ってないような若手を起用する。セットは他の作品でも使い回せるようにする。これらを遵守して、話題性が逃げないうちに早撮りしてさっさと公開。これで儲かれば大成功、失敗しても初期投資額が低いから損失も少ない。そしてまた、話題になった映画に追随するような作品を作り続ける。
 この最後の部分が鍵で、大抵は儲かったからといって調子に乗り、大作に手を出して撃沈する人が多いのだという。コーマンはあくまでもB級に徹し、結果1950年代からずっと映画プロデューサーとして君臨している。


 大作の場合、やはり豪華な出演者、大掛かりなセット等、演出面や話題性でのメリットは大きいが、外した場合の損失が大きくなりすぎる。ディズニーといえば最近は「ファインディング・ニモ」があったはずだが、それでもダメなほど経営がマズイのだろうか? ディズニーは夢を与える以前に、まず自分とこの商売を見直してみましょうね。