今日はぞろ目の日。

 もちろんそんな記念日は無いが。日中は全く陽が照ることなく、ずっとどんよりした空模様。おかげで肌寒く、ついにジャケットを羽織って仕事をこなすように。もっとも、仕事場でこんなことをしているのは、まだ3人しかいないが。

 ラジオでおにぎりの話が出る。おにぎりと聴いて、フト自衛隊時代の話を思い出した。部隊配置されてからしばらく経って、初めて野営した時のこと。上官(小隊長)が炊き立ての白飯を自分の前に差し出して一言。「お前、ちょっと握ってみろ」。あ、おにぎりを作れってことか。言われるがままに握る自分。とりあえず一個握って小隊長の前にお出しした。

「……あれ? 思ったよりも綺麗な握り方だな。」

 後で分かったのだが、小隊長の狙いは別のところにあったのだ。これでもし自分の握り方がヘタクソだった場合「なってないな、おにぎりも作れないのか」と実演指導する算段だったらしい。わざわざこういう指導をするということは、今まで部下にしてきた新入り隊員が綺麗なおにぎりを作れなかったということなのだろうか。しかしまあ、よくある普通の三角握り飯の作り方ぐらい、親から教わるとか自分で考えるとかすれば簡単に出来そうなもんだがな。最近はおにぎりの型とかも売られているから、それで済ませている人も多いのかもしれない。型にはめて作るのもいいが、個人的には角が取れて丸っこくなったような三角握り飯の方が、気持ちがこもってるように見えて好きです。

 ちなみに、綺麗なのを一個作った後にはちゃんと誉められましたが、案の定「よし、もっと握れ!」と言われて他の人の分も作る羽目になりましたとさ。