藤木悠氏永眠。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051220-00000105-kyodo-ent
 記事では代表作が『Gメン’75』となっているが、あいにくこの刑事ドラマは観ていない(テーマ曲はよく聴くが)。やはり一番印象に残っているのは『キングコング対ゴジラ』で、高島忠夫演ずるカメラマン桜井と凸凹コンビを組んでいた宣伝部員・古江役。前半は“巨大なる魔神”と聴いて息巻くも、その姿を目の当たりにしてからは急におっかながってしまうという変わりよう。とりわけ高島との掛け合いは、どこまでが脚本通りなんだか分からんくらいだった。
 その『キンゴジ』DVD収録の副音声には藤木氏も登場し、いろいろな撮影秘話を聞かせてくれたのだが、特に気になったのはこのエピソードだった。黒澤明の映画に出演した際、監督本人にこんな質問をしたことがあるそうな。「黒澤監督は、怪獣映画とか撮らないんですか?」
 それを聴いた黒澤は「そうだなぁ……それも面白いかもしれないね」とかなり興味ありそうな素振りをしたという。だが後に藤木氏は、その様子を見ていたスタッフから呼び出されてこんなことを言われたという。
「馬鹿野郎!あの人が本気になったら東宝が潰れるぞ!」
 ……妙に納得出来る話でした。ありがとう藤木さん。合掌。