絶体絶命都市2の所感。

 さて、久々に購入した新作ゲームソフト『絶体絶命都市2』だが、ようやく佳境に入ってきましたよ。とりあえず感想をば。

  • 篠原編

 純粋に“幾多の災害から逃れ生き延びる”という本シリーズの基本要素を踏襲した話。前半は水没しそうな地下施設から逃げ出さねばならないので、ウカウカしていると体温低下であっさり行き倒れになるシビアさ。女性を連れての脱出は前作でもあったが、ただ一緒にくっ付いてきているようだった前回とは違い、時々様子を伺うと疲労と体温低下のせいで物凄くフラフラしてたりする……。そんなの見てると実際彼女を放っておけなくなるので、食料を得た場合は彼女にも分けてあげたり、役に立ちそうな服(コスプレか?と思えるものもある)を見つけた場合は彼女に着せてあげよう。必死に動き回る彼女を見ていれば、主に行動するこちらも安心になるぞ。
 まあ純粋とはいいつつも、後のエピソードの付箋は張られているあたりが憎いわけだが……。何か、パニック映画のあらゆる要素をぶち込んでますよ、このゲームは。

  • 佐伯編

 ここから舞台となる「富坂市」の裏に隠された事実に突っ込んでいくこととなる。まずはシネスケのあらすじ風に紹介。

 兄殺しの容疑をかけられて留置所送りにされた女子大生・佐伯優子が、災害の渦中に隙を付いて脱獄。執拗に追いかけ回す刑事から逃れた彼女は、その途中で県知事秘書・青山と知り合う。彼の協力を得て、優子は兄殺害の真相を知るために市内を駆け回る。手掛かりは、事件当日に兄のマンションにあった遺品と、そこから去っていった謎の男だった。なぜ兄は殺されなければならなかったのか?そして謎の男の正体は?

 最初の舞台が留置所……そういえばそんなパニック・アクション映画がありましたね、しかも洪水の(笑)。最後のどんでん返しもサスペンスのお約束のようであり、1本の映画を見ているような気分ですな。とはいえ今回の主人公、両手を手錠に繋がれ不自由だという設定にもかかわらず、その辺がイマイチ生かされていない。サスペンスを目指すのだったらそういうところにも気を使って欲しかった。

  • 柘植編

 な、なんと、自動車の運転まで出来てしまうのが本作の新要素なのである。もっともこの回だけだが。

 柘植明はしがないタクシー運転手。クリスマスの夜も金回りの良さそうな客を探して市内をぶらぶらしている。そんな折、柘植は一人の女性を乗せる。彼女は報都新聞記者・本多涼子で、被災した市内をあちこち止まるよう支持する。妹に殺されたという男性・佐伯聡のマンションや、市内にある大企業・新富製薬の研究所までも……。おまけに新富製薬の社員とも通じているらしい。「一体、あんたは何を探ってるんだ?」

 3話目では真相にさらに突っ込んでいく。佐伯編の登場人物及び展開等ときちんとリンクしていく構成は見事だが、それでもまだ半分程度。これからまだまだ付箋は貼られますよ。しかし迫り来る災害からタクシーで逃げるっていうのも、やっぱりどこかのパニック映画であったよねぇ。それを堂々と地で行くのが、このゲームの面白いところなんですが。
 ……で、考えた。これを映画化するとしたらキャスティングはどうなるか。結構難しいのでまた次回書いてみる。