一億の民族を乗せ、嗚呼日本が沈む!

 タイトルは73年版『日本沈没』のポスターから。というわけで、ついに2006年版『日本沈没』初日とあいなりました。地元のシネコン2回目上映に会わせ、余裕を持って出掛けたところ……いるわいるわ、子供だらけ!そう、夏好例のポケモン劇場版も今日が初日だったのだ。しかしこれだけいると、場内はさぞや賑やかだろう。チケットを求める親の横で子供達が大騒ぎするならまだしも、こぼれたキャラメルポップコーンがロビーのそこら中に散乱している、ってこれくらい親が躾けとけ!というか子供も散らかして食うな!
 ……話がずれたが『日本沈没』である。130〜40人ぐらい入る劇場に、およそ6割ぐらいの客。まあ田舎のシネコンだからなぁ。客層はやはり3、40代の人が多いか。何にしても、騒ぐ要因がないのはいい。さて、話のネタバレにならない程度にいろいろと書こう……と思ったが、それだけでも楽しみが削がれる、という人もいるだろうから、コレ以降の文章は読みたい方だけ読んで下さい。主に73年版との差異について書きます。
 まあ結論から言えば、100点満点中の70点位。それでも春にやった『GAMERA』より満足度は高かったし、元の話を無理矢理押し込んだような『ローレライ』と違い、日本が沈むという理屈のみを生かし、後は原作及び73年版にあった要素と新規設定を持ち込んだ本作の方が出来はいい、と思う。でも何より驚いたのは、何の照れもなく草なぎ剛柴咲コウのラブシーンを、樋口監督が普通に撮れたことだろう。ただキーワードを辿っていくと結構厳しい評価を下している人が多いが、俺は支持する。
 そういえば一部で話が出た「シネスケ日本沈没”オフ」はどうなることやら。
<73年版との比較>
・メインタイトル後の主要キャスト、スタッフの背景は日本の様々な光景。言うまでもないがこれは73年版と一緒で、全く同じカット割のものも。0系が500系になっていたりするのは時代だね。
日本沈没の理論解明→田所の調査→沈没まであと1年だと判明、という展開。原作及び73年版では田所の調査→日本沈没の理論判明→沈没まであと1年、という流れだったので、早々と理屈を説明してしまったのは意外だった。しかしその後の構成からすれば、これもアリなのだ。ちなみに沈没の理論を発表したのはアメリカ測地学会ユージン・コックス博士。これは原作にも登場。
・かのセリフ「直感とイマジネーション」は、田所の理論を「妄言だ」とする学者の方から出てくる。これは本人に言わせても良かったはずだが、逆を言えば田所の信念と人間性がそれだけ知れ渡っている、ということか。
・「何もしない方がいい」これがなんと石坂浩二(総理)の口から出てくる。
・「1000人でも、100人でも、いや一人だっていい」これもなんと大地真央(危機管理大臣)の口から出てくる。
・字幕が頻繁に登場。これは樋口監督の癖ですな。とはいえ「この地方には、まだ被害は無い」まで再現しますか(笑)。
 思い出すだけでもこれくらいあるが、まだあるよなぁ。