急展開?

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/japanese_detained_in_iraq/

 今日の朝になって寝耳に水の急展開。今まで何のコンタクトもなかったが、いきなりこれだ。ともかく、無事であればとりあえず肩を撫で下ろせるが……。とはいえ、今回の事件で思ったことが一つ。自衛隊が、余りにも蔑ろにされている、という事実が、これでまたはっきりとした。


 今回の問題に対して、自衛隊を撤退させれば全て解決する、と思っている人達がどれだけ多いか、十分すぎるほど分かってしまった。「一旦撤退してもいいはず」という意見もある。しかし一度引いたが最後、日本は自衛隊を二度とイラクに送ることは出来まい。アメリカからだけでなくイラクからしても、日本の勝手さに呆れられるだろう。危ない目にあったから帰らせました、で、みんな納得するか?
 「人の命は地球より重い」かもしれない。ではそれをアメリカ政府にも言ってはどうか。イギリスにもオランダにも言うべきだ。いやそれ以前に、今までに犠牲となった軍人や民間人の立場はどうなる? 自爆テロをしたテロリスト達の命は? この事件が無ければ、そんなこと一言も言わなかったくせに、今さら何を言うのか。地球より重いどころか、既にぞんざいにされている。


 自衛官などもっとぞんざいで、人道支援とはいえ、迷彩服を着て銃を持ち装甲車まで持ってきている訳で、パッと見れば侵攻していると思われかねない様相で「我々は人道支援のために来た」と言い続けなければならないのだ……。自衛隊を撤退させろというなら、そう言っている人達が変わりに人道支援をしてみてはどうか。嫌だというなら、それこそ自衛官の命を地球よりも重いと思っていない証拠ではないか! 今回は民間人3人で、向こうもまだ解放する余地ありとみてくれたのかもしれない。今回の事件が自衛官だったら、さて世論はどう動いていたか。


 ……が、自衛官はその「蔑ろ」に慣れているようだ。サマーワでの活動が自粛されて、意気消沈しているかと思いきや、現地の隊員はというと、
「いい給養です」「普段より早めに寝ている人もいる」
 そうだ、この肝っ玉の大きさだ。この言葉は、普段、世論から蔑ろにされている人々達の、良識派と名乗る連中に対するささやかな抵抗だ。ぞんざいにされてない人間には、彼等の気持ちは分かるまい。