ロジャー&ミー ★★★☆

 ミシガン州フリントは、街の経済を支えていた大手自動車会社GMの工場が海外進出のために次々と閉鎖の憂き目に。この街で生を受けたとあるジャーナリストは、没落する一方の故郷を嘆き、GM会長ロジャー・B・スミスにこの現状を見てもらおうと遁走するが……。
 言うまでも無いがこのジャーナリストはマイケル・ムーア企業城下町の“企業”が無くなったおかげでどんどん寂れていく街の様子は何とも悲しく、テコ入れとして始めた観光産業も大失敗に終わるというのは痛々しい。工場に勤務している人ならゾッとさせられるかもしれないが、日本にもそんな自治体は山ほどあるわけで、資本主義国家に住む我々としては、決して目を背けてはならないね。
 資本主義というのはハシゴみたいなもので、下を向いたら怖くて登れなくなるからとにかく上を目指すしかないようだ。ただし、降りられないみたいだが。