また映画のような事実

arama-daisuke2005-09-03

 ハリケーンの被害は日が増すにつれてその全貌が明らかになるだけで、問題解決の糸口すら見えてこない。ただでさえイラク戦で下がったアメリカの株が、さらに下がっているという気がする。何せ、自然災害に無策だと露呈しているようなもんだから。
 日本では台風や水害など珍しくも無い。そもそも山だらけの土地なうえに河川の距離が短く、上流から下流までは日本一長い信濃川でさえミシシッピ川の10分の1しかない。世界的に見ても日本の河川は急角度を付けて流れており、ある外国の学者が日本の川を称して「これは滝だ」と言葉を残すくらいのものなのだ。それゆえ、日本は昔から多雨や台風の季節になると水害というものに悩まされてきた。だからこそ日本人は「治水」に力を注いできたのである。
 戦国時代に武田信玄が治水に力を入れていたのは有名だし、江戸時代には利根川の付け替えや輪中が完成している。20世紀にはダムが至る所で作られ、治水と水源確保に一役買っている。まあ今ではダムも公共事業の見直しや自然保護の観点から、そんなに力入れて作ってないみたいだけど。しかしそれでも水害は起きてしまうのだから、やはり自然災害に立ち向かっていくのは一筋縄ではいかない。
 で、アメリカはどうなんだ? と思っていたら、そんなことを全然やってこなかったらしい。ハリケーンはたまにしか来ない(個数は台風の3分の1くらい)おかげで災害対策は不十分のままで、ニューオリンズを守るはずの堤防は老朽化していたうえに改修工事の予算が出なかった。これじゃ水浸しにもなるよ!
 うーん、そういえばこういうパニック映画あったよなぁ。何かしらの学者が街にある堤防(山の街だったらダムという手もある)の老朽化を訴えるが、市の役員からは全然相手にされない。走行している間に街を大嵐が襲い、案の定堤防(ダム)が耐え切れなくなって決壊、大パニックに至る……。
 なんだ、アメリカはハリウッドが作り出した架空の話を地で行くつもりか?