改めてパチ怪獣サミット2005秋レポート

 昨日の分は終了後にネットカフェに飛び込んでサクッとまとめた、いわばメモ書きです。改めてこの場を借りて精細等を記していきたいと思います。
 1750に新宿アルタ前で怪獣仲間のUさんと合流し、会場となるロフトプラスワンへ移動したところ既に行列が。ようやく入り、とりあえず場所を確保。既にアマプロの喜井氏、唐沢なをき氏、えむぱい屋堤氏がステージで準備中。BGMは特撮ヒーローソングが延々と流れるが、途中で他社がリリースした歌手・演奏違いのバージョンとかになったりするのがいかにもパチモン。これを聴きながらUさんと“主題歌の別バージョン”等の話で盛り上がる。
 開始は1900だったが、10分前からスタート。なをさんが高らかに開会を宣言し、ついにパチ怪獣サミット2005秋が幕を開けた!

  • 第1議題:アイアンゴッド

 伊藤大株式会社という名古屋の文具メーカーから「ピカソ」というブランド名で出されていたオリジナルキャラのかるた。一応ケンイチ少年が操縦するロボットなのだが、

    • 「な」……なきたいときでも がまんする
    • 「よ」……よるでもやすまず とうだいもりだ
    • 「こ」……こうつうせいりも まかせとけ
    • 「た」……たこあげてつだい たのしいな
    • 「る」……ルルルっととびだせ ぼくらのゴッド

 といった様な珍妙なシチュエーションが続出(もちろんマトモな札もある)。“ルルルッと”とはどういう状態なのだろうか。しかもこのアイアンゴッドは絵札によってスケールがまちまちで、子供を抱きかかえているかと思いきや、ビルをむんずと掴み上げたりしている。伸縮自在なのか? ちなみにこのピカソブランドは他にも様々なオリジナルキャラのぬりえを発売していて、ブームの頃にはそれなりに稼いでいたらしい。ちなみにアマプロ・喜井竜次氏によると、この会社はほんの数年前に倒産したそうだ(それまで健在だったというのが凄いが)。

  • 怪獣百科

 これはパチモンではなく、きちんと円谷プロから版権を取った雑誌の付録なのだが、挿絵として掲載された怪獣の絵が問題なのだ。「Q」「マン」「セブン」の怪獣はさまになっているのだが、途中からUMAや古代の恐竜の紹介記事になると途端に絵がショボくなり、ほとんどノートの片隅に書いたラフ絵状態に。これを堂々と付録に仕立て上げた、当時の少年雑誌の根性(というか適当さ)に脱帽。
 さらに「未来の怪獣」というのも掲載されているのだが、これも映像化などはされてない雑誌オリジナルの怪獣が勢揃い(されても困る)。でも数が多すぎで忘れてしまいました。

  • 花博怪獣

 大阪の和泉緑地で開催された「花と緑の博覧会」で、日本たばこ・JTのパビリオンにて公開された映像に、なんとオリジナルのモンスターが登場していた。どこをどう見てもドラゴン(サーペントか?)を意識したかのようなデザインなのだがこれといった名称は無く、設定上では「宇宙怪鳥」と。どうみても鳥じゃないだろ、これは。
 しかし凄いのは、このモンスターは誰も知らない間にソフビ化されていたのだ。限定1000個しか発売されていないというシロモノで、大きさは翼長30センチ程度の普通サイズなのに値段が1体3000円。それもそのはず、パーツが18個もあり、細かい角まで別成形でこさえてある。喜井氏曰く「当時の日本はバブルでしたからねぇ……。」ちなみに映像自体を製作したのは川北紘一監督だそうです。

 いやはや、これは特筆モノ!今回一番盛り上がったネタといってもおかしくはない。怪獣図鑑等でおなじみの大伴昌司氏が書き上げたオリジナルストーリーなのだが、設定や展開が何から何までぶっ飛んでいる。
 京都の博物館に飾られていたミイラが4000年の眠りから蘇ったうえに、復讐のため(何のための復讐かは分からないが)巨大化。さらに並べて展示されていたスフィンクスまでもが怪獣になるという事態に。これに立ち向かうのが、なんと奈良の東大寺に飾られていた仁王像と唐獅子。正義の念を持って巨大化した仁王様と唐獅子は、ミイラとスフィンクスに完全と立ち向かう! だが巨大ミイラが口から毒液を吐き、仁王様に浴びせかけた! 大ピンチの仁王! ところが一番盛り上がったところで一言。
「次号へ続く」
 えーっ?! で、続き。
 戦いの舞台は京都から国鉄の吹田操車場へと移動。大ピンチの仁王だが、唐獅子が東大寺から持ってきた香炉の灰を撒き、毒が消える。さらに戦いは九州へと移り、阿蘇山の火口で大激闘! だがさすがの巨大ミイラ達も仁王コンビの前に力尽き、有明海にその身を没するのだった。
 ああよかった、めでたしめでたし……と思っていたら、どうもそんな雰囲気がしない。あれ?「たたかいは本当にこれでおわったのだろうか?」って書いてあるぞ。そして最後に一言、
「次号へ続く」
 まだあるのかよ?! で、続き。
 なんと、北京の博物館に展示されていた先のミイラの兄貴(!)が、弟の敵を討つために北京猿人(原文ママ)を連れて海を越えてやって来るという衝撃の展開に! またまた激闘が繰り広げられるが、仁王が猿人目掛けて数珠を投げつけるとたちまち白骨化。残るは兄貴ミイラだけだ。
 その倒し方が凄い。仁王と唐獅子は、なぜか種子島へと逃げ出す。それを追うミイラ、だが飛びかかろうとした瞬間、
 「今だ、宇宙ロケット発射!」
 かくしてミイラはあえなく串刺しにされてしまうのだった。ここでようやく「おわり」。凄い、凄いぞ大伴ワールド! やはりあなたは天才だ! 

  • われら怪獣部隊

 東宝レコードから発売されていたオリジナルドラマのソノシートだが、そのいかがわしさはパチモンそのもの。主人公となる少年がアルファー星人によって正義の味方になり(というか、されたと言った方が正しい)、悪い怪獣を倒そうとするのだが、肝心の超能力がたったの10分しか持たないのだ。困った少年は最後に大好きなゴジラを呼ぶ。すると本当にゴジラが出現!そして一言「あなたのゴジラが来ましたよ。」何の品もないおっさんの声でゴジラが喋る。かくしてゴジラと怪獣の大激闘……は10秒と経たずに終了。「御覧なさい、怪獣をやっつけましたよ。」オイオイ、天下の東宝がこんなレコードを発売してよかったのか?