一本の缶ジュース

 休憩中ボケーッとしていると、職場で親しくしている人がおもむろにグラスを2つ持ってきた。「これ飲む?」と出されたのは一本の缶ジュース。だが、何か怪しい。明らかに表記が日本語では無いのだ。

「ああ、これ?中国に旅行中の友達が送ってきたんだ。」

 栓が開けられ、グラスに注がれたのは白い液体。何だこれ? 改めてパッケージを見ると、どうやらココナツジュースのようだ。成分は「水、ココナツ果汁、砂糖、乳化剤」さらに“防腐剤等不使用”みたいなことが書かれてある。腹壊しゃしないだろうなぁ、と思いながらも、とりあえず飲む。ふむ、普通だった。これで変に甘すぎたりしたら怪しむが、そうでもない程度の甘さ。飲んでから6時間以上経ったが、体調に変化もない。マトモな商品で良かった。

 ……と言いたいところだが、中身はともかく見た目は実に怪しかった。外装が、缶に印刷とかフィルムじゃなしに、紙巻き。おまけにプルタブは一昔前のやつだ。もしも日本で売るなら、味はともかくパッケージを変えないとまず売れないと思うよ、きっと。