特撮上映会2005冬。

 年に3回、東京某所に特撮好き者同士が集まって開催する上映会に、自分は毎度のように足を運ぶ。今回は仕事の都合で午後からの参加となってまったので見逃したネタもあるのだが、その分の感想をアップしようと思う。

 この押尾さんという方のテクニックは半端ではなく、メインメロディとバックのベース音を一人で(もちろん一つのギターで)演奏出来るほど。一見すると特撮と何の関係も無いように思えるが、ライブではいきなり『人造人間キカイダー』の“ジローのテーマ”を演奏するという特撮少年だった人なのだ。しかもそのテクニックを駆使してあのウルトラQのテーマ”を最初の渦巻き「ドン、カ〜ッ」のところから完璧に再現してしまう。さらにマン、セブンのOP曲までも見事に演奏しきるという凄さ。これは聞き惚れるよ、マジで。

 加山雄三はかつて紅白歌合戦で曲紹介をする際トンでもないミスを犯したことがある。「少年隊で“仮面舞踏会!」というべきところを「仮面ライダー!」と言ってしまった。この発言は有名だが、実は後にその少年隊が紅白で仮面ライダーの主題歌を歌った際植草が「加山さん見てますかー?」と叫んでいた。一応、気にはしてたのかな? あと藤岡弘、が白組応援に来た時、突然ショッカー怪人イカデビルが現われ、藤岡氏本人が変身して敵を蹴散らし去っていくというヒーローショー映像もあり。
 おまけとして紅白でアニメ主題歌を歌うハロプロメンバーの映像が映し出され、これに物凄く盛り上がっていた人が一人いたことを追記しておく(注:自分ではありません)。

 公式サイトはこちら。全編フルCGで2年半もの時間を費やして製作された自主映画。しかしそのクオリティは高く、25分と短いので話の密度も濃すぎるほど。登場人物の少なさはいたしかたないが、あの『ファイナルファンタジー』と本作をどっちか観ろと言われたら、俺は間違いなく『ネガドン』を選ぶな。怪獣好きなら観といて損はない(はず)。
 で、気になって調べてみたら、この監督の粟津順さん、まだ31歳なんだとさ。

 大月ウルフという謎の俳優が出演している特集・その1。人間の欲望から産まれたモンスター一族は人類征服の野望を抱き、手始めに日本人を飢えさせようと“ハンガー作戦”を実行に移す。それに立ち向かうのがコンドールマンなわけだが、ストーリー上では実際にこの作戦が成功して日本が飢饉状態になってしまうのだ。しかもその手段が「食料の買い占め」って、現実的過ぎるなぁ。しかもコンドールマンを慕う主人公達は敵のアジトを暴いて食料を奪い返し、一般市民に配給をするのだ。うーん、凄い話だ。
 で、大月ウルフさんがどこに出ていたのかというと、モンスター一族の怪人・サラマンダーの人間体としてでした。怪しすぎ。

 大月ウルフという謎の俳優が出演している特集・その2。コンドールマンも凄いが、やはり話の濃さでいえばこのレインボーマンに敵うものは無いだろうなぁ。日本人抹殺を企む死ね死ね団は、お多福会という宗教法人を設立させて大量の偽札をばら撒く“M作戦”を実行、日本経済は大混乱に陥るのだ。いやはや、死ね死ね団、恐るべし。
 おまけに本作は人物描写が細かい。死ね死ね団の偽札工場で働かされてた製版工の親父が、良心の呵責から残された子供を案じて基地の自爆スイッチを押す……って、ヒーローが解決したんじゃないのかよ! 物価高に困って子供のためにパンを盗んだ男が、主人公の父親に「もっとしっかり生きろ」とどこかの居酒屋で説教される……って、これヒーロー番組じゃなかったのかよ! この話の濃さ、今やろうってったて絶対無理。
 で、大月ウルフさんがどこに出ていたのかというと、死ね死ね団の怪人・電気人間エルバンダ。この怪人は女幹部イグアナの息子なのだが、そのイグアナ役が塩沢とき。うわ、何て濃い親子なんだ(笑)。