我が群馬の話。

 読売新聞にこんなニュースが載っていたわけだが、まさか「県庁所在地なのに(一時的に)映画館が無い街」というのが我が群馬県だったとは思わなかった。言われてみれば、前橋と名の付く映画館がいつの間にか無くなっていた。昔は家族で前橋の初市に出かけ、帰りには市場近くにあった映画館・前橋文映でゴジラシリーズを観るのが恒例となっていたのだがね。
 とはいうものの、群馬の中で前橋という存在は「県庁所在地」というポジションが強すぎるせいで、文化・娯楽面がほとんどと言っていいほど充実していない。そっちの方面ならば、お隣りにある高崎の方がよっぽど強い。駅から歩いていける距離には百貨店はもちろん、ファッション系の店がそこかしこにあるため、休日ともなればそれなりに賑わう街である。群馬交響楽団の本拠地も高崎だし、高崎映画祭なんてのもあるし……。
 そう考えると、前橋というのはその逆をいってるような気がする。まず、人が集まる中心となる商店街が駅から離れている。いつだったか読売の群馬版に「他県の人が県庁のある前橋駅前に降り立つと、まずその殺風景さに驚く」などと書いてあったが実際その通りで、そこから中心街まではバス停2,3ヶ所くらいはある。これでは、自家用車ならともかく電車で行こうという意欲を削ぐものでしかない。人が集まりづらい状況下では、文化もなかなか発展しないのだろう。時の流れとはいえ、やはり銀幕が無くなるというのは悲しいね。
 それにしても、「最盛期には市内に10箇所の映画館が……」って、いつの時代だ?