小田急線高架化事業に歪んだ正義を見た!

 時事性のある話題ではないが、3年前に工事を違法とする判決が出て騒ぎになって以来、個人的に気になっていた問題である。別に自分は小田急沿線の人間でも何でもないが、1鉄道好きの人間としてこういった話には興味があるので、首を突っ込ませて頂く。

 これの何がどう問題かというと、要するに、高架化するか地下にするか、ということで世田谷の一部の住民と小田急&東京都がもめたのだ。作る側は「高架」として要地を取得し現にそれで工事も進めていたのだが、これに一部の住民が猛反発。彼等の主張の精細は「もぐれ小田急線」に詳しい↓。

http://www.bekkoame.ne.jp/~fk1125/

 だが、この場を借りてはっきり言わせてもらおう。この主張、全くといって良いほど現実を見ていない! 要するに彼等は、この事業を機会に大手ゼネコンが自分達の土地に入ってくるのでは無いかと杞憂しているに過ぎないのだ。そんな陰謀論をまともに信じてどうする? 左翼、ここに極まれりである。さらに、彼等がいう「地下化の方が建設費が安く済む」という理論も大間違い。その辺もここ「日の当たる小田急線がいい!」↓を見て頂くと分かるのだが……

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/8506/

 上記サイトには書いていないが、小田急が地下ではなく高架を推し進める理由はまだある。地図上では分からないが、あの地域一体は高低差が結構あり、おまけに河川もあるため、地下にするにはこれらを全て交わせるような、上り下りの激しいトンネルを建設しなければならないのだ。これでは逆に建設費がかさむうえに、鉄道そのもののスピードアップも望めない。もしも上下するのが嫌だというなら、物凄く深いところにトンネルを通す必要がある。地下6階とか7階にある駅がどれだけ不便かは、都営大江戸線を見れば一目瞭然だ。高架ならそんな地上の障害を跨ぐだけで済むし、高低差も抑えられるのでスピードアップも容易なのである。

 東武、西武、京成、京急……これらの会社は立体交差工事を施工し、いずれも高架化という道を選択している。東急は地下化したところもあるが、これとて田園調布や目黒、大岡山の駅周辺と部分的であり、横浜地区に至ってはみなとみらい線に繋げるためにそうしたのだ。小田急のみが、まるで悪の手先であるかのような扱いを受けるのは鉄道好きとして心が痛む。

 あのサイトを見る度に、こういう思想の人間にはなりたくないな、と常々思う。