激動の昭和史 沖縄決戦 ★★★★☆

 題名の通り、壮絶たる地上戦によって軍隊10万、民間人15万人もの死者を出した沖縄戦を描いた戦争ドラマ。映画の進行と並行するかのごとく、沖縄の状況は悪い方向へとしか進んでいかないという絶望的な展開に驚く。とりわけ凄まじいのは、最後の最後に自決する民間人たちの姿を描いたこと。手榴弾を仲間同士で手にし合う者、毒をあおる者、親しいもの同士で手持ちの刃物で斬り合う者……。この辺の付箋は慶良間諸島での島民自決シーン(これも凄まじすぎる!)でも既に描かれていたが、それが立て続けに描かれるとなるともはや言葉も出ない。ラスト、劇中様々なところに現れていた少年が、死体だらけの海岸を黙々と歩く。そして、死体の持っていた水筒の水を力強く飲み干すというところに、絶望から這い上がろうとする人間の姿を見た。