日本映画音楽界の巨匠・伊福部昭氏永眠。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060208NTE2INK0708022006.html
 ……東宝特撮を愛し続けた人間として、この伊福部昭という人物を決して忘れることは出来ない。思うに、小学校の頃から怪獣映画にハマッたきっかけというのは、本多演出や円谷特撮の魅力に気付くよりも前に、まずこの方の音楽が良かったから、というのが大きい。
 一番最初に観たゴジラ映画は『キングコング対ゴジラ』(ビデオで)だったが、そのメインタイトル音楽に心を奪われた。今までに聴いたことも無いような旋律、そしてコーラス。小学生だった自分は、親に頼んで事あるごとにこの映画のビデオを借りた。それは話が面白いというより、音楽聴きたさだった(話の面白さに気付くのは中学になってから)。それから続けざまに観た『怪獣大戦争』『怪獣総進撃』『サンダ対ガイラ』のビデオで、伊福部マーチに心躍った。小遣いをはたいてサントラCDを始めて買った時の喜びは、今でも忘れることは出来ない。
 そして伊福部節は中学生の自分にもまた衝撃を与えた。『SF交響ファンタジー』がそれである(ビデオタイトルは『ゴジラファンタジー』)。ここで『地球防衛軍』『宇宙大戦争』『海底軍艦』のマーチを知ったことは大きく、怪獣好きから特撮好きへと拡大していくこととなった。ちょうどこの頃、伊福部昭氏が『ゴジラvsキングギドラ』で映画音楽に復帰し、正月映画としてゴジラが定着し始めたしたこともあってか、過去作品のサントラCDが次々と発売されており、それをお年玉やまとまった小遣い等で買うのが常だった。これらのCDはもうケースは傷だらけだが、今でも手元に残っている。
 この下地があったからこそ、自分は今でもなお特撮怪獣が大好き!と言い続けているといってもおかしくはない。これから先も自分はずっと特撮怪獣好きだろう。そして子供の時と同じように、伊福部節に酔いしれるのだろう。
 ありがとう、伊福部さん。そして、さようなら。