韓国発・モンスタームービーが日本上陸!

 怪獣好きとしてはちょっと外せない映画が出てきた。「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」がそれで、何ヶ月か前にラジオで井筒和幸監督が触れ、大絶賛していたのを覚えている。まあこの手の怪物映画がそのまま日本に入ってくる可能性は低いかなぁ……と思っていたらこのニュース。250スクリーンとは結構な数だが、ひょっとしたらこれはGWの『GAMERA』並ではないのか。しかもコレだけ誉められていれば客の入りも良いだろうから、まあ間違いなくガメラ興行収入を抜き去ることだろう。ちょっと悔しいが。
 で、これの予告編が→これ。うーむ、なかなか見せてくれるじゃないの、これは。チラッと見える怪物は非常にグロだが、要所要所で怪獣のツボを突いてくる。怪物の犠牲者の遺影を前にして泣き叫ぶ遺族、というのは一見残酷だが、怪物の凶悪さをこれほどまでに表現出来るストレートな演出は、同種の他作品でもなかなか観られるものではない。我が国日本の作品でも病院とか避難所のシーンはあるが、死者の遺影や名前まで出しているのは『ウルトラマンレオ』第40話ぐらいしかないだろう。それくらい稀なのだ。
 それにしても、だ。自分としては、こんな怪物映画をお隣韓国に先に作られてしまったことが悔しい。別に韓国だから、という訳ではない。北村ゴジラで怪獣映画が一段落した時点で、こういう冒険をしてもよかったはずなのだ。過去に製作したことが無いから出来ない、とでも言うのか(韓国はどうなのだ)? 巨大怪獣映画文化ニッポンの足元をさらわれるようなことになっても、俺はそれを止める手段を持ち得ないのだ。
 ゴジラが当分作られないと分かっている以上、日本特撮は上を見上げずとも怪獣映画は作れることを証明すべきだ。“ハンガンの怪物”に立ち向かうには、それしかない。